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海上を走るLEXUS LY680の公式写真と、見出し「海上に浮かぶレクサス。」を配した表紙

画像:LEXUS/デザイン:LUQ編集部

2026年9月25日、LEXUSはラグジュアリーヨット「LY680」の海外販売を始めると発表した。10月28日から11月1日まで米国フロリダ州で開かれる「Fort Lauderdale International Boat Show」にも出展する。

クルマのブランドが、なぜ海へ向かうのか。LY680は、その問いに対するLEXUSの答えのひとつだ。

クルマの外へ、海の上へ

LEXUSは今回の発表で、LY680のテーマを「DISCOVER ESCAPISM」とした。信号も渋滞もなく、他人の視線もない海の上を、「本物を知る人が素の自分に戻れる、隠れ家のような空間」にするという。

海上を走るLEXUS LY680
海上を走るLY680。LY650よりフライブリッジを約1,400mm、スイミングプラットフォームを700mm長くし、全長は約68フィートになった。
画像:LEXUS

発表資料が繰り返し語るのは、性能よりも「体験」だ。移動は陸の上だけのものではない。人は海を渡り、空を飛び、その過程のすべてで何かを体験している。LEXUSは、そのすべての場面で「素の自分に戻れる」時間と空間を届けたいとしている。

外観は、LEXUSのデザインフィロソフィー「L-finesse」を具現化したもの。航走性能は、LEXUSが追求する「すっきりと奥深い」走りを目指し、安定した操縦性と優れた乗り心地、静粛性を実現したという。

発表から実船、そして世界へ

LY680に至るまでの道のりは、思いのほか長い。

  • 2017年1月:トヨタマリンとLEXUSが「Lexus Sport Yacht Concept」を発表
  • 2018年9月:LEXUS初のラグジュアリーヨット「LY650」を発表
  • 2019年9月:LY650を世界初披露
  • 2024年3月:LY650を改良した「LY680」を発表し、受注を開始(納艇は2026年春の予定とされた)
  • 2026年3月:LY680の実船が、台湾で世界初公開
  • 2026年9月:LY680の海外販売を開始

日本での受注開始から約2年半。実船の世界初公開からは約半年で、LY680の販売は世界へ広がった。

延ばしたのは「くつろぐ場所」だった

LY680は、LY650の改良モデルだ。船の上部にあるフライブリッジを約1,400mm、船尾のスイミングプラットフォームを700mm延長し、全長は約65フィートから約68フィートになった。

2024年の発表資料によると、この拡充はお客様からの要望に基づくもの。広くなったフライブリッジには、ゆったりとくつろげる広いラウンジソファと、機能性豊かなウェットバーを採用し、バーベキューグリルもオプションで設定した。スイミングプラットフォームは、水上オートバイを楽しむなど、沖での楽しみ方の幅を広げるためのものだという。

船尾側から見たLEXUS LY680
船尾側から見たLY680。船尾のスイミングプラットフォームは、LY650より700mm長くなった。
画像:LEXUS

LY680の主要諸元

項目内容
全長20.63m(約68フィート)
全幅5.76m
エンジンVolvo Penta IPS 1350/1050×2基
燃料タンク容量4,012L
清水タンク容量852L
客室数3部屋(ベッド6名対応)
乗員数15名

※全長は2026年9月25日の発表資料の値。2024年3月の発表資料とLEXUS公式サイトの主要諸元表では20.66mとされている。価格は発表資料に記載がない。

造るのは、台湾のHorizon Group

LY680は、LEXUSが一社で造る船ではない。生産を担うのは、カスタムビルドを得意とし、ラグジュアリーヨット市場でアジアのリーディングブランドとされる「Horizon Group」だ。

LEXUSが担うのは、デザインと体験価値の設計。Horizon Groupが担うのは、大型ヨットの建造で培った「造る力」。そこに、TPS(トヨタ生産方式)を応用したヨットの生産手法を重ねた。

Horizon GroupのJohn Lu CEOは、自社の製品を世界へ届けられることを、Horizonだけでなく台湾にとっての誇りだと語っている。

陸・海・空をつなぐ「360度のモビリティ」

2025年10月のJapan Mobility Show 2025で、LEXUSのサイモン・ハンフリーズCBO(チーフ・ブランディング・オフィサー)は「次なる舞台は、海と空です。言い換えれば、360度のモビリティです」と語った。

LEXUS LY680とLEXUS Helicopter
海上のLY680と、上空を飛ぶLEXUSのヘリコプター。
画像:LEXUS

2026年7月31日には、エアロトヨタとLexus Internationalが、ヘリコプターによる旅客輸送サービス「LEXUS Flight」を8月24日に始めると発表した。運航はエアロトヨタが担う。LEXUS車両による送迎、「LEXUS Helicopter」による空の移動、そしてLY680による海上でのひとときまでを、陸・海・空のモビリティでつなぐ構想だ。

マリン事業部の林豪副部長は、LY680を「陸・海・空をシームレスにつなぐ新たなモビリティの未来を体現する存在」と位置づけている。

次の舞台はフロリダ

海外販売の最初の大きな舞台は、2026年10月28日から11月1日まで米国フロリダ州で開かれる「Fort Lauderdale International Boat Show」だ。LEXUSはここにLY680を出展する。

日本で生まれた構想が、アジアの造船技術と組み、アメリカの海へ出ていく。LY680の海外販売は、そうした広がりの始まりでもある。

LUQの結論

全長約68フィート、客室3部屋、乗員15名。LY680の数字は大きい。だが、LEXUSの発表資料が語っているのは、スペックよりも「海の上でどう過ごすか」のほうだ。

全長を延ばしたのは、フライブリッジとスイミングプラットフォームだった。つまり、くつろぐ場所と、海へ降りる場所である。

クルマで培ったデザインと品質を、信号も渋滞もない海の上へ。LY680は、LEXUSのラグジュアリーがもはやクルマの形にとどまらないことを示す一隻だ。


公式情報

出典

  • LEXUS「海も舞台とするLEXUS ラグジュアリーヨット「LY680」の海外販売を開始」(2026年9月25日)
  • Lexus「With the Open Sea as Its Stage, Lexus Begins Overseas Sales of the LY 680 Luxury Yacht」(2026年9月25日)
  • LEXUS「LEXUS、ラグジュアリーヨットLY680を発表」(2024年3月21日)
  • LEXUS「LEXUS、ラグジュアリーヨット「LY650」を発表」(2018年9月8日)、「LEXUS、ラグジュアリーヨット「LY650」を世界初披露」(2019年9月19日)
  • エアロトヨタ/Lexus International「ヘリコプター運航サービス「LEXUS Flight」を開始」(2026年7月31日)
  • LEXUS NEWS「68枚の写真で見るLY680オープンハウス」(2026年3月31日)
  • LEXUS公式サイト「LY」主要諸元表(2026年9月28日確認)

※記事の内容は2026年9月28日時点の公式情報にもとづきます。仕様や販売条件は変更される場合があります。